ちひろ美術館コレクションのなかから舟の旅をテーマに作品を展示します。絵本画家が描く大きさもデザインもさまざまな舟とともに、舟が浮かぶ波の表現にも注目してご覧ください。

図1 タチヤーナ・マーヴリナ(ロシア) 「空飛ぶ船」1961年
ロシア民話「空飛ぶ船」(図1)は、同じ名前だけれど能力の異なる、7人の兄弟の物語。王の望みを叶えるため、末息子と兄弟が隣国の王女を迎える場面です。マーヴリナは王女が乗る大きな船をのびやかな線で描き、さまざまな模様を使って場面を彩っています。

図2 イレーネ・サヴィーノ(ヴェネズエラ)『ひかりがうまれたとき』(新世研)より 1994年
『ひかりがうまれたとき』はヴェネズエラのオリノコ河畔に暮らす、ワラオ族に伝わる物語です。世界は初め、暗闇に包まれていました。ワラオ族の娘は「光の主」から光を分けてもらうため、暗闇のなかひとりクリアラ(カヌー)を漕ぎだします(図2)。広大な熱帯雨林と大河、そこへ小さなカヌーを進める女性の勇敢な姿が印象的な作品です。

図3 初山滋 (日本) 『一寸法師』(普及社/ 誠文堂)より 1928年
御伽草子の一編、「一寸法師」を初山滋が描いた作品です(図3)。お椀の舟に箸の櫂。都へ向かう一寸法師を、繊細な線で描いた波がいざないます。
SNS Menu