開催中の展覧会「没後50年 初山滋展 見果てぬ夢」のご紹介③

現在開催中の「没後50年 初山滋展 見果てぬ夢」

初山滋の原画を見ると、透明水彩絵の具、ポスターカラー、岩絵の具、墨、クレパス、色鉛筆、鉛筆、インクなど、さまざまな画材を使っていることがわかります。印刷技術の進歩に伴い、その表現はさらに繊細さを増していきました。水彩絵の具のにじみやぼかしを駆使したほか、絵の具を散らすスパッタリングや、霧状にして吹き付けるスプレーなど、あらゆる技法を駆使して、複雑で繊細なマチエールをつくり出しています。きらめき揺らめく水や光、跳ね回る小鳥たちなど、形を留めないものたちを表現するために、初山は新たな表現を求めて妥協することがありませんでした。

「没後50年 初山滋展 見果てぬ夢」は、11月30日まで。ぜひこの機会に初山滋の貴重な原画の数々をご覧ください。

初山滋 かいのこどもたち 1965年

初山滋 はるのはこび 1962年

初山滋 木の葉と鳥(部分)1960年頃