[表紙の作品]いわさきちひろ くちもとに指をそえる少女『あめのひのおるすばん』(至光社)より 1968年
あまだれも うたってる そうだ ゆび なめちゃいけないって——
くちもとに指をそえた少女が描かれたこの絵は、『あめのひのおるすばん』の一場面です。絵本には、絵と短いことばで、雨の日にひとりで留守電をする少女の心の世界が描き出されています。ちひろは「あの本は、私の小さかった時の思い出とつながります。私が実際に体験した感覚なのですから、気楽に、すっとかけました。(中略)どこの幼稚園にも、ひと組にひとりはいる、ちょっと感情のこまやかな子どもならわかってくれるのではないかしら」と語っています。繊細な表情を見せる横顔の少女には、幼いころのちひろ自身の姿が重なります。
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