【学芸員がじっくりご紹介!展覧会「ちひろの いろ せん かたち」みどころ】
現在安曇野ちひろ美術館では、夏の展覧会「ちひろの いろ せん かたち」を開催中です。
やわらかな色彩と確かなデッサン力で、いきいきとした子どもの姿を描き続けた画家・いわさきちひろ。
その絵は、なにげなく描かれているように見えて、さまざまな技法や工夫が隠されています。
今展では色、線、構図の観点からちひろの絵に迫ります。
今回は、出展作品からこちらの絵をご紹介します。
画面上半分の黒い色面に、子どもたちが明るい色調で描かれています。
髪の毛の色も、黒く塗らず薄いグレーで表現し、軽やかな印象を持たせています。
対して画面下半分の薄緑の色面には、絵本『みんなでしようよ』に掲載された際にテキストが流し込まれました。
暗い背景に明るい色の子どもたち。明るい背景に黒い文字。
ちひろは描かれているものが最も目立つように、色の明暗に工夫をこらしています。
こちらの作品は、展示室1でご覧いただけます。
今展の会期は8/31まで。
ぜひ夏休みに、足を運んでみてください。

作品:いわさきちひろ 楽器を鳴らす子どもたち 1957年
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