開催中の展覧会「没後50年 初山滋展 見果てぬ夢」のご紹介①

安曇野は、さわやかな秋晴れの日が続いています。
周囲に広がる公園の木々も色づき、外でピクニックを楽しむのもよい季節ですね!

さて、本日は、開催中の展覧会「没後50年 初山滋展 見果てぬ夢」について、ご紹介します。
初山滋は大正から昭和にかけての50年余りに渡り、“童画”の世界に欠かせない画家として、児童雑誌や絵本、童話集、教科書など、子どもの本にたくさんの絵を描きました。現在開催中の「没後50年 初山滋展 見果てぬ夢」では、初期から晩年までの作品や資料約180点を展示して、その画業を紹介しています。


初山滋『おとぎの世界』1巻7号_表紙 1920年

初山滋が子どもの本で注目されるきっかけとなったのは、1919年に創刊された児童文芸誌「おとぎの世界」でした。メインの画家として1年半ほど筆をふるい、表紙や挿し絵のほか、詩や童話も発表しています。


初山滋 猿と兎姿の少女(仮題)1920年頃

ふたつめの作品は、「おとぎの世界」を描いていた22歳ごろの作品とみられ、出展作品のなかでも最も初期の作品にあたります。大きな満月を背景に、兎の衣装の上にチュチュを着けた女の子が、木の上の猿を見つめる姿は、妖しく幻想的で、100年以上前の絵とは思えないほど新鮮な印象を与えます。