春の展覧会のご紹介②

春の展覧会のご紹介②

現在、冬期休館中(~3/17(金))のちひろ美術館・東京より、3/18(土)から始まる春の展覧会のご案内です。
今回は、「ちひろ 光の彩(いろどり)」をご紹介しましょう。

いわさきちひろ 夜の国で青い鳥をつかまえるチルチルとミチル『あおいとり』(講談社)より 1969年

こもれび、月明かり、ろうそくの灯、
そして心を彩る希望の光

いわさきちひろは、第二次世界大戦後の子どもの本の隆盛期に、絵雑誌や絵本を舞台に活躍し、水彩のやわらかな筆致で子どものいる情景や物語を数多く描きました。ちひろは、水彩技法を探求するなかで、あえて詳細な描きこみや、説明的な描写を省略して、子どもや物語を照らし出す光で心情や情景を表現するようになりました。まぶしい陽の光、こもれび、ろうそくの灯や月明り、さまざまな光が子どもたちや物語を彩豊かに照らし出しています。ちひろが描いた光には、子どもたちの未来や希望も重ねあわされているように感じられます。
本展では、ちひろの光の表現に着目して、水彩技法の変遷もあわせてご紹介します。

ちひろが描いた光の作品の数々を、どうぞお楽しみに。

ちひろ 光の彩(いろどり)
会期:2023年3月18日(土)~6月18日(日)
同時開催:没後50年 初山滋展 見果てぬ夢

いわさきちひろ やぎと男の子 1969年