谷川俊太郎と生前のいわさきちひろのコラボレーション「みち」
開催中の展覧会では、谷川俊太郎の詩からちひろがイメージして描いた絵をともに展示し、ふたりの最初のコラボレーションを紹介しています。
谷川俊太郎の詩「みち」12編は、1973年5月から翌年4月にかけて、京都新聞をはじめとするいくつかの地方新聞に掲載されました。当初はちひろの絵が全編に掲載される予定でしたが、ちひろは体調を崩し、第6回までで画家が交代しています。ちひろが55歳で亡くなる10か月前のことでした。
ここでは、「みち」の1編をご紹介します。展覧会場にて、遺された6編をぜひご覧になってください。
谷川俊太郎
みち2
くさがしげると
みちはかくれてしまいます
けれどそのみちのむこうに
いずみがあるのを
けものたちはしっています
ゆうぐれのやまおくに
みずがにおって
いちばんぼしがでました
こじかが
こおったようにたたずみます
ほしも
いいにおいがするのでしょうか
◆開催中の展覧会(~10/27)
「ちひろさんの子どもたち」谷川俊太郎×トラフ建築設計事務所
◆谷川俊太郎の詩「みち」1~12 は、詩集『どきん』(理論社 1983年)に収録されています。
(K.R.)
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