2009.9.9 /[表紙の作品]いわさきちひろ 「お母さんと湯あがりのあかちゃん」 1971年

「母親像を描くときも、やさしくない母親は描けないんです。母性そのものみたいな感じで、子どもの横につけるときにはそれをつけないわけにはいかない。」
とちひろは語っています。ちひろの絵には多くの母子像があるように感じられますが、実際に母親の姿を描いた作品は数えるほどしかありません。その姿もとき
に後ろ姿やシルエット、手だけだったりするものが多いのですが、あかちゃんや子どもだけが描かれた作品にも、その子を見守る母親の存在が感じられます。慈
愛に包まれたあかちゃんの絵からは、最も弱いもの、無垢なものを守らなければならないという、ちひろの思いが伝わってきます。