黒姫の山荘

ちひろは、1966年に黒姫高原にアトリエを兼ねた山荘を建て、窓から野尻湖を望むアトリエで、多くの作品を生み出しています。制作の合間には野山へ出かけ、抱えきれないほどの草花を持ち帰って山荘を飾りました。

「黒姫山荘」と名づけられたこの地は、画家や作家、編集者など、子どもの本の関係者の山荘が多く建てられ、ちひろの山荘からは、赤羽末吉の山荘も見えました。赤羽もまた、黒姫に愛着をもち、四季折々の風景や山をスケッチして歩き、作品の想を練ったといいます。赤羽の黒姫での日々も、絵本づくりに欠かせないものとなっていきます。

同時代を生き、同じ風景を見つめた赤羽末吉(1910-1990)と、いわさきちひろ(1918-1974)。ちひろ美術館・東京にて同時開催中のふたつの展覧会は、今週末9月26日(日)までです。

◆生誕111年 赤羽末吉展 日本美術へのとびら 
◆ちひろの花鳥風月
https://chihiro.jp/tokyo/exhibitions/

いわさきちひろ 柏原 1969年

柏原は、ちひろが好きだった俳人・小林一茶の里です。黒姫がこの柏原に近いことも、ちひろがこの地を気に入った理由のひとつでした。「ちひろの花鳥風月」にて、黒姫で過ごすちひろの写真とともに展示中です。

(K.R.)

※9月27日(月)~10月1日(金)は展示替えのための臨時休館となりますので、ご注意ください。