いわさきちひろ生誕100年「Life展」まなざしのゆくえ 大巻伸嗣 開催中~5/12(土)

この展覧会では、いわさきちひろがとらえた「Life」を、現代美術作家・大巻伸嗣さんがインスタレーションを通じて増幅させ、わたしたちが未来に向けるまなざしと交差する空間を創出し、わたしたちに「生きる力」を喚起します。

本展のために大巻さんが制作した最新作 “ Echoes-Crystallization-ひかりの風景 ちの記憶- ” は、ちひろのいのちの表現に重ねてイメージがつくられ、ちひろ美術館に運び込んだ後、最後の筆を入れて完成しました。

大巻さんが制作中に繰り返し見ていたのは、広島の原爆で被爆した子どもたちが書いた文章にちひろが絵を描いた『わたしがちいさかったときに』です。
大巻さんは、ちひろが見つめたいのちを、今、伝えていく必要性を切実に感じるといいます。
この作品では、原爆が投下されたときの閃光、湧き上がるきのこ雲、熱線により一瞬にして影だけを残して焼失した人々、焼け焦げた人々のイメージが重ね合されています。
床に現れては消えてゆく植物の影は、一瞬にして奪われた夥しい数の人々の生の痕跡のようにも見えます。

この作品に合わせて、大巻さんが選んだのは、ちひろが墨で描いたダリヤです。黒い太陽のようにも見える花の絵です。是非、ゆっくり作品に向き合って、ふたりがとらえたいのちを体感しください。

(HM)

大巻伸嗣 Echoes-Crystallization -ひかりの風景 ちの記憶- 2018年 (c) Shinji Ohmaki Studio 撮影:椎木静寧

展覧会情報

いわさきちひろ生誕100年「Life展」
まなざしのゆくえ 大巻伸嗣

2018年3月1日(木)~5月12日(土)
ちひろ美術館・東京

大巻伸嗣からのメッセージ(YouTube)
※「いわさきちひろ生誕100年」記者発表時(2017年11月1日)の映像をご覧いただけます。