ちひろ美術館スタッフ「お気に入りの作品」⑪

臨時休館中のちひろ美術館(東京・安曇野)から、おうちで美術館を楽しんでいただける情報を発信しています。
約9,500点あるいわさきちひろの作品のなかから、ちひろ美術館のスタッフが、ひとりひとり「お気に入りの作品」を1点選び、作品への想いをリレー形式で語ります。

【ちひろ美術館スタッフ「お気に入りの作品」⑪】

いわさきちひろ 紫の雨のなかの少女 1971年

ポツポツ、ポンポンポンポン……。

雨の日はつい憂うつになるものですが、絵のなかの少女はにわかに口角を上げ、ひとりだけの空間で、傘に響く雨音を楽しんでいるように見えます。絵のなかから音が聞こえ、雨の日のしっとりとした湿気まで感じられるよう。子どものころのなにげない時間を思い出す大好きな作品です。日常のなかに愉しみを見出す―ちひろの絵が思い出させてくれるこの感覚を大切にしたいと思う今日このごろです。(A.I.)

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次回は、ちひろ美術館・東京でミュージアムショップや絵本カフェを担当しているY.K.さんが「見ると懐かしく、あたたかい気持ちになる」という作品です。みなさんにとって、思い出深い作品は、何でしょうか?

次回も、ちひろ美術館・東京ブログよりお届けします。