ラジオ放送100年によせて

日本で初めてラジオが放送されてから、今年で100年を迎えます。

1925年3月22日の初放送を経て、太平洋戦争中に広く普及したラジオは、戦後民間放送も盛んになり、今でも私たちの暮らしに欠かせないメディアのひとつです。

1948年、戦後間もない東京で、新聞記者として働いていたいわさきちひろは、ラジオ工場で働く女性工員のようすを記事で取り上げています。

いわさきちひろ ラジオ工場 1948年3月19日

きゃしゃで、キラキラひかるガラスの製品が、クリスマス・ツリーにぶらさげる美しいおもちゃのようだ。そして神経の細くゆきとどいたせんさいな、白いきれいな指が、蝶がひらりと身をかわすように、ふしぎな手つきをくりかえし、美しい指の踊りをやっている。
ここはラジオの真空管の部分品の工場だ。
ここに働く娘たちの美しさは、このガラスの製品の美しさになんとよく似ていることだろう。髪のゆいかたにしろ、お化粧にしろ、ものごしにしろ、他の工場にはない、せんさいな可愛らしさにみちている。(後略)
いわさきちひろ 1948年

働く女性へのちひろらしいあたたかいまなざしが感じられます。