クヴィエタ・パツォウスカー(チェコ) 『すずの兵隊』より 1985年
2025年は、アンデルセンの生誕220年にあたります。これを機会として、ちひろ美術館コレクションのなかから「雪の女王」や「すずの兵隊」など、アンデルセンの物語を描いた作品を展示します。

図1 ヤナ・キセロヴァー=シテコヴァー(スロヴァキア)『おやゆびひめ』より 2001年
ヤナ・キセロヴァー=シテコヴァーは作品制作の際、紙ではなく目の荒い“麻布”にテンペラやインクで細密に描くという手法を用いています。『おやゆびひめ』(図1)も、船を漕ぐおやゆびひめの姿や小花が、細かなところまで描かれています。このほかに「人魚姫」や「みにくいあひるのこ」「雪の女王」など、さまざまな物語の登場人物が描かれた「H.C.アンデルセンにささげるⅠ」などの作品も展示します。
『白鳥の王子』は昼の間白鳥の姿になる魔法をかけられた11人の王子を、妹の王女が救う冒険の物語です。カーリナ・カイラは不安のなかで他国へと旅立つ白鳥と王女を、やわらかな光で包むように描いています。(図2)

図2 カーリナ・カイラ(フィンランド)『白鳥の王子』より 1990年
クヴィエタ・パツォウスカーは、絵本を「立体的な造形物」ととらえ、独自の制作活動を行った画家です。1992年に国際アンデルセン賞画家賞を受賞しています。リトグラフによる限定本の『すずの兵隊』(図3)でも、自由な形や鮮やかな色彩で物語の世界をつくり出しています。

図3 クヴィエタ・パツォウスカー(チェコ)『すずの兵隊』より 1985年
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