[表紙の作品] いわさきちひろ 「踊るふたり」1968年

ウェーバー作曲の「舞踏への勧誘」をもとにした絵本『ふたりのぶとうかい』の表紙絵として描かれた作品です。初版には、管弦楽曲のレコードがついていました。ちひろもこの曲を繰り返し聞きながら絵本のイメージをふくらませたことでしょう。原曲では華麗な舞踏会が舞台ですが、絵本では舞踏会が行われる屋敷の庭で、少年と少女がダンスをします。
ワルツの音色を色彩で表現したこの絵では、紫や黄、青、赤、黒まで、補色も含むさまざまな色がにじみ合いながら、みずみずしい発色をみせています。長年の経験とセンスによって、水彩の色が最も輝く絶妙なタイミングを心得ていた画家のなせる業です。