9/7 こどもワークショップ「みんなでダンス!」

「夏!子どもワークショップ」の最終回を飾ったのは、
なんとダンスのワークショップ。バレエやヒップホップといった
ダンスではなく、自分や友だちの体を自由に動かし、
コミュニケーションをとりながら表現するのがねらい。
ちひろ美術館では初めての取り組みだ。講師には伊藤千枝さん
(振付家・ダンサー・珍しいキノコ舞踊団主宰)をお迎えした。

展示パネルなどを片付けた多目的ホールは、思った以上に広ーい!
さあ、みんなで裸足になったらスタンバイOK。
千枝さんから、子どもたちへの注意事項は、自分が痛い思いをしない、
友だちに痛い思いをさせない。このふたつだけだった。

準備体操が始まった。「はい、手と手をこすり合わせてみようー」
千枝さんの合図にあわせて、手をゴシゴシゴシ……
そのあとは、腕やおなか、足の先までゴシゴシゴシ……

「首を振ってみよう」「腕をぶらぶらさせてみよう」「はい、足も」
休みなく手足と頭をクニャクニャやるのは、かなり難しい。でも面白い!

「それじゃ、そのまま他の人とぶつからないようにグルグル歩いてみて」
……え? このまま?

みんなでへんてこな動きをしながらホールのなかをウロウロ~。
つい笑いがこぼれ、みんなだんだんリラックスしてきた。

ふたり一組でストレッチをしたかと思うと、こんどは床で芋虫のようにゴロゴロ。

「身体をどんなふうに使ってもいいから、3本足で歩いてみよう」「4本足で」
「今度は5本足で!」「つぎは9本足で」
次々に出される千枝さんの合図にめんくらいながら、指、ひじ、
ひざ、おでこなど、いろんな部分を床につけて、時には隣の人と
合体(?)して、歩いてみる。

子どもたちに一番人気だったのは、「鏡」あそび。
まず、ふたり一組または4、5人のグループで、ひとりが
「人間」役、残りが「鏡」役になる。鏡は、人間の動きや
表情をそっくりに真似しなければならないというのがルール。
役は、千枝さんの合図でどんどん交代するから、気が抜けないぞ!

締めくくりに、グループで「馬」や「象」を作ってみよう、というお題がだされた。

子どもたち、一体どうするか……。見守るこちらの心配をよそに、
みんな自然におんぶをしたり、前の子どもの肩に手を掛けたり。
互いに触れあいながら、ああしてみよう、こうしてみたら、と、
どんどんかたちをつくっている!

楽しい1時間半が、あっという間に過ぎてしまった。
最初は初対面で堅い雰囲気だった子どもたちも
すっかりリラックスしてうちとけた様子。
子どもたちを型にはめず、心と体をおおらかに解放させる千枝さん、さすが!

何か決まった答えに到達するのが目的ではなく、みんなで互いに
触れあいながら、一緒に考え、作り上げてゆく過程を重視した、
コミュニケーションワークショップ。
千枝さんの目指す「自分の身体を触ること、他人に触れることで、
他人に対する思いやりや人のぬくもりを知ること」を、
きっとみんな感じてくれたと思います。(Y.N.)