8/31 こどもワークショップ「ちひろの絵のひみつ」

8月最後のワークショップは、美術館の学芸員が講師を務め、
いわさきちひろの水彩画の技法の秘密に迫りました。
題して「ちひろの絵のひみつ」。

今日は技法のワークショップなのに、机には画材が出ていません。
かわりに各自に質問の紙と鉛筆が配られています。
「今日は、みんなに雨の絵を描いてもらいます。
でも絵を描く前に、まずは雨が降っているときどんな様子か、
みんなで目をつぶって1分間考えてみましょう。どんな音がするかな?」

1分後。
「それでは、目をあけて、雨について今、想像したことを紙に描いてみてください」
どんな音がするかな? あなたは何をして遊んでいるかな? 雨は何色? どんな気持ちかな?

「次に、いわさきちひろさんが、雨をどんな風に絵に描いたか、絵本と作品を見てもらいます」
ちひろの『あめのひのおるすばん』の読み聞かせに続き、
展示室に移動して絵本の原画と、復元アトリエに並ぶ画材などを見ながら、ギャラリーツアーを行いました。

再びワークショップ会場に戻ってくると、机のうえには水彩画の道具がならんでいます。
いよいよ「ちひろの絵のひみつ」を体験する時間です。
「これから、ちひろさんの技法にいくつか挑戦してみましょう。
まず、ひとつめは色のにじみです。画用紙に水を塗って、絵の具をたらすと、にじんで広がりますね。
そこに違う色をたらすと、元の色と混ざってきれいなにじみになります」
スタッフが実演してみせ、いよいよ子どもたちの番。

7色くらいあるパレット絵の具を好きなように組み合わせ、にじみの模様を作っていきます。
絵画教室に通っているという子は、
「普通はパレットで絵の具を混ぜて色を作るんだよね。紙の上で色が混ざると、面白いな」

にじみの技法のあとは、白抜きの技法ともみ紙の技法も体験しました。

技法体験の後は、作品制作。
「初めに目をつぶって想像した雨の様子を、大きな画用紙に描いてみましょう。
今日習ったにじみや白抜きやもみ紙を使ってもいいし、好きな色を使って、自由に描いてみてください」
大きな画用紙を前に、子どもたちが思い思いの雨の情景を描きます。

最後に、全員の前でひとりずつ自分の作品を発表。
同じ雨でも、色々な大きさ、形、色があり、傘をさしている子どもがいたり、
カタツムリやカエルがいたり、魔法の台風が色の違う雨を降らせていたり……。

個性は、ひとりひとりの子どものなかにすでにあり、
絵を描くことはそれを引き出す手段のひとつなのだな、と実感したワークショップでした。(Y.K.)