[表紙の作品]いわさきちひろ 小鳥と少女『ことりのくるひ』(至光社)より 1971年
どこからか飛んできた小鳥が、ちょこん、と少女の頭にとまります。「しーっ ことり」と口を手で覆う仕草から、少女の驚きと興奮が伝わってきます。絵本『ことりのくるひ』の一場面として描かれたこの絵は、至光社から出版された単行本の表紙にも採用されました。作中ほとんど後ろ姿で描かれていた少女は、クライマックスのこの場面で、正面を向いたアップで登場します。やわらかな水彩で表現した顔に、黒い縦長の瞳が印象的です。左右で瞳の表現が少し違い、右の瞳はわずかに滲ませて描かれています。見開いた瞳が、小鳥と出会った少女の、一瞬の心の動きを語っています。
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