11月22日に:茨木のり子「Yの箱」

ちひろ美術館・東京で開催中の「装いの翼 いわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子」では、詩人・茨木のり子が最愛の夫に向けた詩を収めた「Yの箱」を展示しています。

のり子は、自身の日記のなかで、夫・安信のことをYと記していました。
1975年、のり子が48歳のときに、夫は肝臓がんのため亡くなります。あまりにも早い別れでした。

詩:茨木のり子 泉(部分)
『歳月』(花神社)2007年、文庫版(岩波現代文庫)2025年

「Y」と記された箱に収められた40篇近い詩が見つかったのは、のり子が亡くなった後でした。夫への想いが結晶化したそれらの詩には、愛するものに真摯に向き合い続けたのり子の表現の核となる部分が浮かび上がっています。
これらの詩は、のり子が亡くなった翌年、2007年に詩集『歳月』として出版されました。

〇ちひろ美術館・東京 展覧会のご案内
装いの翼 いわさきちひろ、茨木のり子、岡上淑子(10/31~2026/2/1)