絵本でつなぐ「へいわ」のメッセージ:「みんないっしょにやっていこうね」

ウクライナやガザの問題で子どもたちはどうしているのだろうと思ったとき、戦争のときに子どもだった自分はどうだったか思い出しました。子どもにとって戦争の何が一番嫌かと言うと、自由ではない、何をやってもいけないということだと思います。
戦前を知る身としては、今の時代が確かにあの頃と似ていると思うことがあります。あのときは、いつの間にか戦争が始まり、私たちの気づかないうちに、当たり前だった日常生活が失われていきました。そのことを知ってほしいと思って、『窓ぎわのトットちゃん』の続編で、私の記憶の中にある戦争と戦後のことを書きました。
戦時下や被災地での子どもたちの窮状が毎日報道されている今、この展覧会を見てくださった方々が、世界中の人たちと、「みんないっしょにやっていこうね」という気持ちを持って帰ってくださればうれしいです。

黒柳徹子(ちひろ美術館・館長、ユニセフ親善大使)、2025年

いわさきちひろ チューリップとセーラー服の少女 1970年

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◆絵本でつなぐ「へいわ」のメッセージ
戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ「へいわ」 の開催にあわせて、本展に寄せられた出品作家からのメッセージ、そして、広島で被爆した子どもたちのことばをご紹介してきましたが、今回で最終回となります。最後は、ちひろ美術館の館長である黒柳徹子のことばをご紹介します。
絵本でつなぐ「へいわ」展は、10/26(日)までの開催となります。ぜひ、お出かけください。

◆開催中の展覧会:2025年7月26日(土)~10月26日(日)
戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ「へいわ」