絵本でつなぐ「へいわ」のメッセージ:武田美穂(画家)

那須さん、いまもやはり世界から戦争も核もなくなっていません。それがなくなる方向に、なかなか舵をきれません。
でも、きいてください。ひとついいことがありました。
2024年の12月に、被爆者の方々が体験を語ることで核のこわさをひろめてきた、『日本被団協』が、なんとノーベル平和賞を授与されたのです! 那須さんの言われた「沈黙」しない人たちです。未来に少し光がさしたようなきもちになりました。勇気をもらいました。
「核兵器を所持することで、平和のバランスを保つ」なんて『核抑止論』は、一歩まちがえると地球をこわしてしまう。ヒロシマ、ナガサキでつかわれた原爆をさらにずっと近代化したであろう、そらおそろしい兵器、だれかがボタンを押したら、もうそこで、すべておしまいになってしまう。
そんなものは、世界ぜんたいで「もたない、つくらない」にこしたことはありません。

武田美穂 2025年
『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』あとがき(ポプラ社)より

『やくそく ぼくらはぜったい戦争しない』 那須正幹・作/武田美穂・絵 ポプラ社 2025年

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◆絵本でつなぐ「へいわ」のメッセージ
戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ「へいわ」 の開催にあわせて、本展に寄せられた出品作家からのメッセージ、そして、広島で被爆した子どもたちのことばを、会期中、少しずつご紹介していきます。

◆開催中の展覧会:2025年7月26日(土)~10月26日(日)
戦後80年 ちひろと世界の絵本画家たち 絵本でつなぐ「へいわ」