[表紙の作品]いわさきちひろ 夏草のパーティー 1972年
子どもたちが車座に座っています。余白の白は強い日ざしを感じさせます。子どもたちに重ねて、筆勢をいかしたかすれたタッチで草むらのイメージが描かれています。手前のテーブルの上には色のついたデザートグラスが並び、傍らには小鳥がたたずんでいます。子どもたちは素足で土や草を感じながら、戸外で冷たいデザートとおしゃべりを楽しんでいるようです。子どもたちはそれぞれに個性のある装いをしています。ちひろは対面に座る子どもの服を赤と緑、黄と紫で描き、お互いが際立つような補色を配置しています。夏のきらめく日ざしのなかで、5人の子どもたちそれぞれの個性が調和しています。
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