[表紙の作品]いわさきちひろ そうじをする子ども 1956年

『ひとりでできるよ』の一場面として描かれたもので、創刊間もない福音館書店の月刊絵本「こどものとも」の12号として発表されました。「生き生きとした幼児の生活体験を詩のような言葉と楽しいリズムのある絵で構成した絵本を作りたい」と考えた編集者の松居直は、小林純一の物語詩のイメージにあう絵の画家として、絵雑誌などで注目していたちひろを抜擢します。ちひろは、身の回りのことができるようになった幼い子どもの生活を、当時5歳だった息子・猛の姿に重ねて描いています。同じ敷地内にちひろの妹夫婦の家があり、息子よりも3歳年上の姪と猛は、姉弟のように遊んでいたといいます。